乾燥地帯で育つ「ゴムをつくる植物」(グアユール)
熱帯で育つ「ゴムの木」とは異なる新たな天然ゴム資源の開発
新たな天然ゴム資源 グアユール
グアユールは、米国南西部からメキシコ北部にかけての乾燥地帯が原産の低木で、現在の天然ゴムの主要な供給源であるパラゴムノキ(※1)とはまったく異なる土地で栽培することができます。またその組織に含まれるゴム成分がパラゴムノキ由来の天然ゴムによく似た性質を持つことから、新たな天然ゴム供給源になるものと期待されています。
- ※1ブラジル原産のトウダイグサ科パラゴムノキ属の常緑高木。幹を傷つけて得られる樹液(ラテックス)に天然ゴムが含まれる。
グアユールの栽培からタイヤ開発まで
植物の栽培から天然ゴムを得るまでの工程
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グアユール
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パラゴムノキ(参考)
グアユールから天然ゴムを得るためには、植物体をまるごと粉砕、溶媒抽出、不純物の除去という工程が必要で、樹液を凝固・乾燥させて天然ゴムが得られるパラゴムノキと比較すると複雑な工程になります。
当社グループでは、栽培技術から、天然ゴム抽出技術、タイヤへの適用技術に至るまでの一貫した研究開発を行い、グアユール由来の天然ゴムの実用化を目指しています。
グアユール由来の天然ゴムを用いたタイヤを完成
2015年には、グアユール由来の天然ゴムを用いた最初のタイヤが完成。「再生可能資源の拡充・多様化」に向け、大きな一歩を踏み出しました。
このタイヤは、グアユールの栽培から天然ゴム抽出精製までの工程に加えて、天然ゴム評価、タイヤ生産・評価のすべての過程に当社グループの技術を適用することによってつくられたものです。